Google Mapも役に立たず遭難しかけた要害山城の話

この記事は paiza Advent Calendar 2020 23日目の記事です。

22日目は「クリスマス休戦 1914年のクリスマス|Y.Okayama|note 」です。圧倒的良記事でした。
24日目は「この日までにイタリア行きたかった - 蒼樹の徒然日記」です。学びがある。






本題の前に。

paiza Advent Calendar を書いてくれたみなさん、ありがとうございます(まだ完遂してないけど)。やりましょうって言い出したのが自分なので、これだけ数と中身が充実したものになって、すごく嬉しいです。

ひとつひとつの記事に感想を書いていると時間がなくなりすぎるのでやめておきますが、全体を見渡すと媒体の多様さが目立ちます。note、はてなブログ、Qiitaという定番はもちろんのこと、Notion blog( 2020年で変わったこと・変えたことを振り返る | My Notion Blog ) と HackMD( 学生アルバイトの面接で嬉しかったこと7選 - HackMD ) という新しめな媒体が出てきて、さらにはTwitterにリプライを連ねて書くのみという変わり種もありました。そして、paiza.IO を blog 代わりにしたのは世界でも2人だけだと思います。






2019年11月30日に要害山城というところで行ってきました。武田氏の城らしいんですが、日本史は未履修ですし歴史シミュレーションゲームもやったことがないのでよく分かりません。詳細はWikipediaとかでお願いします。有名な武将の地ですし、山の麓の躑躅ヶ崎館(武田氏館跡)は観光名所なので、要害山城も歩きやすく整備されて楽に踏破できると思っていったんですが、全くそんなことありませんでした。その辛かったところを撮った画像を中心に書き連ねていきます。

まず登山口が分かりません。案内板はあるものの、その通りの道がどこなのか分かりません。たくさん城へ行きましたがこんなことは初めてです。 f:id:nag4:20201224015112j:plain

Google Mapで調べると、案内は出るのですが、示された道は存在せず、無慈悲に川が流れています。

ググっても登山口は分かりません。先人の城好きたちがブログやらに「寺沿いに歩くと登山口へ行ける」とか「住宅街を抜けると行ける」などと書いてあるのが散見されますが、マップや現地の写真を載せた確かな情報がありません。

不確かな口コミを頼りにして、ようやく山へ行けそうな道を見つけて歩いてみると、 f:id:nag4:20201224020223j:plain 道が柵で塞がれており、通って良いのか悪いのかわからなくなります。もちろん一本道です。 f:id:nag4:20201224020322j:plain 狭い山道を幅いっぱいに柵が塞いでいるので、「人は良いけど車は駄目」という類なのか判別が付きません。他に道もないのでこの柵を越えて歩いたわけですが、山を登ることなくひたすら山を迂回するようにように歩かされて、別の道へ合流しました。合流地点にも柵があったので、つまりは、たぶん、入っちゃダメな道だったのではないかと思います。

正しいと思われる道さえ分かれば、あとは登るだけです。道中、自分の背丈ほどある雑草に覆われた道だったり、 f:id:nag4:20201224021507j:plain 倒木で道が塞がれていたり、 f:id:nag4:20201224021820j:plain 道というには斜面の角度がつきすぎていて歩かせる気がない場所があったりしますが、 f:id:nag4:20201224022015j:plain 整備されていない山城ではよくあることです。このあたりは気にせずに進めます。

頂上へ着くと、分かりやすい遺構がありました。大きめの堅堀が石積みで固められていたのが、最も見栄えのするものでした。武田信玄のなんらかの記念碑が建っていましたが、歴史は戦国BASARAくらいしか触れたことがありません。 f:id:nag4:20201224022956j:plain

そして、問題の下山です。多くの山城でもそうなのですが、登山道はひとつではないので、せっかくだから行きとは違う道へ行きたくなります。当然、違う道を選びました。

山の稜線を歩く楽しい道を行くと、 f:id:nag4:20201224023559j:plain 行きとは比べ物にならないほどデカい木で道が塞がっていて、なおかつ土が流れて道が消えかかっていたり、 f:id:nag4:20201224024146j:plain 沢と同化してしまったことで道が完全に消滅したりしていました。 f:id:nag4:20201224024420j:plain 道が消滅するというのは、おもしろいもので、己の直感だけで進むべき方向を決めることになります。みなさんも目を凝らしてみてください。 f:id:nag4:20201224025431j:plain f:id:nag4:20201224025445j:plain

この時点で、四方を見渡してもどこへ向かうのが正解なのか分からず、Google Mapを見ても山の中であることしか分からないので、そこそこまずい状況でした。Google Mapに示された最寄りの県道へ向かっていると信じて進みます。ただひたすら祈りながら歩いたこの下山が気持ち的にはピークなのですが、なかなかおもしろく書くのが難しいですね。

最終的にこんな場所から、コンクリートが敷かれた人工的な県道に出れました。 f:id:nag4:20201224031231j:plain ここから入山できそうにも見えますが、すぐに道らしきものは無くなります。おそらく、過去には登山口だったものが、今はメンテナンスされず放置されているのではないかと思います。

自分を信じて道を切り開く良い体験でした。